頸部リンパ節腫脹
頸部(くび)のリンパ節がはれる(腫脹する)病気は数多くあり、ほとんどが炎症によるものですが、中にはできもの(腫瘍)のこともあり注意が必要です。 炎症には、ウイルスや細菌の感染による急性リンパ節炎や慢性リンパ節炎などがあります。リンパ節自体が炎症をおこしているケースと他部位の炎症によってリンパ節がはれているケース(反応性腫脹)があります。急性リンパ節炎はリンパ節腫脹の原因として最も多く、はれた部分の痛みを伴います。通常は抗菌薬や消炎鎮痛薬の投与により1~2週間で良くなります。慢性リンパ節炎のうち結核性リンパ節炎は、結核に対する治療が必要です。
その他、特殊な炎症としてサルコイドーシスや組織性壊死性リンパ節炎などがあり、病気によっては全身の精密検査が必要になります。 腫瘍のうち、悪性リンパ腫はリンパ節そのものが悪性化する病気で、血液内科という専門の診療科で抗がん剤などの治療を行います。甲状腺がんや咽頭がんなどがリンパ節に転移してリンパ節が腫脹している場合は、元のがんとともに転移した頸部リンパ節を治療する必要があります。 当院では、エコー検査により頸部リンパ節の状態を確認し、必要に応じて穿刺吸引細胞診(細い針をリンパ節に刺して細胞を採取する)で原因を調べます。さらに詳しく調べる必要がある場合には、リンパ節摘出手術を日帰り手術で行っています。