くびの病気

頸部けいぶリンパ節腫脹

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 くまべクリニック|くびの病気

頸部(くび)のリンパ節がはれる(腫脹する)病気は数多くあり、ほとんどが炎症によるものですが、中にはできもの(腫瘍)のこともあり注意が必要です。 炎症には、ウイルスや細菌の感染による急性リンパ節炎や慢性リンパ節炎などがあります。リンパ節自体が炎症をおこしているケースと他部位の炎症によってリンパ節がはれているケース(反応性腫脹)があります。急性リンパ節炎はリンパ節腫脹の原因として最も多く、はれた部分の痛みを伴います。通常は抗菌薬や消炎鎮痛薬の投与により1~2週間で良くなります。慢性リンパ節炎のうち結核性リンパ節炎は、結核に対する治療が必要です。

その他、特殊な炎症としてサルコイドーシスや組織性壊死性リンパ節炎などがあり、病気によっては全身の精密検査が必要になります。 腫瘍のうち、悪性リンパ腫はリンパ節そのものが悪性化する病気で、血液内科という専門の診療科で抗がん剤などの治療を行います。甲状腺がんや咽頭がんなどがリンパ節に転移してリンパ節が腫脹している場合は、元のがんとともに転移した頸部リンパ節を治療する必要があります。 当院では、エコー検査により頸部リンパ節の状態を確認し、必要に応じて穿刺吸引細胞診(細い針をリンパ節に刺して細胞を採取する)で原因を調べます。さらに詳しく調べる必要がある場合には、リンパ節摘出手術を日帰り手術で行っています。

頸部嚢胞けいぶのうほう

嚢胞とは袋状の病的な構造物で、中には液体成分が充満しています。
くび(頸部)には側頸嚢胞(そくけいのうほう)、甲状舌管嚢胞(こうじょうぜっかんのうほう)、リンパ管腫(かんしゅ)
皮様嚢腫(ひようのうしゅ)、類上皮腫(るいじょうひしゅ)などさまざまな種類の嚢胞が発生します。通常は良性のものですが、
ごくまれに悪性腫瘍のことがあり注意が必要です。症状は頸部のはれのみで、炎症が合併すると痛みが出ることがあります。
針を刺して溜まっている液体を吸引することもありますが、効果は一時的でまた液体が溜まって元に戻ることが多いです。
根本的な治療としては手術による嚢胞の摘出となります。
当院ではエコー検査により詳しく調べたうえで、頸部嚢胞の一部のものに対しては日帰り手術を行っています。

頸部膿瘍けいぶのうよう

頸部膿瘍は、虫歯や扁桃腺などの炎症が重症化することにより、首の奥に膿が溜まる病気です。
元々の原因による歯やのどの痛みに加え、首のはれや、口の開けにくさ、息苦しさが生じます。
内視鏡検査、エコー検査、CTなどで診断し、頸部膿瘍と判明した場合は、抗菌薬投与と膿を針で吸い取る治療を行います。
膿の範囲が広がっている場合には、首の外から切開し膿を排出します。
息苦しさがある場合にはのどに呼吸のための穴を開ける(気管切開)をする必要があります。
重症の場合は命に関わる病気であり、入院での治療が必須であるため、
当院で診断した際には速やかに救急対応可能な施設へ紹介させていただきます。

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